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仕事について考えない日はない。
自尊心の高い人びとは、その尊敬を一般化するような試みをする。
これが誠に気に食わないことを白状する。具体的には言うまい、今日は酒を呑んでいるのだ。
おそらく、私と同世代であれば、仕事の中で似たような葛藤に出会っていることと思う。
ああ、いかにすればこの苛立ちが少しは晴れるのか。
どうすれば、少しは前進できるのか。そう思い、今日自分にできることを粛々と。
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巨匠ドンシーゲル監督の仕事
カリフォルニア、ゴールドラッシュを狙う強盗団と街の保安官の争い。
西部劇に出てくるような銃撃戦はどこか、当たったら終わりという感じが薄い。
石の投げあいのようだ。恥ずかしい話だが、大昔、西部劇の漫画を描こうと思って、ストーリーを考えてみたが銃撃戦だと、尺が持たないといえばいいか。当たったら終わっちゃうよなあとブツブツ考えていたことがあった。
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もう若くはないゲーリークーパー扮する保安官。随分若作りしてますがこれはつらい。
町中だれも助けちゃくれないわ、花嫁はなにこんなときに決闘だとかいってんのよ、といわれ立つ瀬のない保安官、勝ち目のない決闘を前にただ、街を彷徨っている。
長身のクーパーがのそ、のそ、と日陰を探し回って、まぶしげな表情をする。
この当時、結婚すると街を出ていくしきたりでもあったのだろうか。よくわからぬ美学に満ちた映画だった。
- 作者: 金井美恵子
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金井美恵子
風刺と諧謔が聞いた傑作長編小説とある。
この風刺って奴がこれちっとわからんじゃないか。文章道を通ってきたわけじゃねえから共通読書経験がねえと皮肉めいたかどうかもわからん。でもそれでいいと著者は言う。
自分の気に入った文体をまず見つけて、コピーするという、お天道様の下じゃ
ちょと胸をはって話せないような、秘話を学中のゼミでしたが
この金井のもつ、文体はこれはいい、という話をそこで聴いた。へーそんなもんかねと
鼻水たらしてた小生他馬鹿な学生は何もわかっちゃいないのだ。
ウィットのありかは、ものの価値を論ずるときに役に立つんだという話。
凡庸な表現が悪だ、どっか書いてあったと思う。いちいち覚えていないが文章教室にいる現代作家がそんなことを書いていて、主婦の絵真の文章を批判していた。
凡庸な文章てまるで私が今書いているこれのことじゃないか。あなたの書いているそれのことじゃないか。
- 作者: 金井美恵子
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大真面目に読んでいるといきなり、ザックザックと出刃包丁で切りっ放したような
文章が並んだり、そうかと思って適当に読んでいるとものすごく、繊細な、糸を編みこむような表現の応酬になったりと、ぶんぶん振り回されて、ああもう脱落したいと思いました。
念仏唱えているみたいな状態で、走りきっちゃったけど、どんな内容だったと隣に座っている人にいきなり聞かれても、よくわからんと答えてしまうでしょう。