山に生きる人びと (河出文庫)

山に生きる人びと (河出文庫)


平地の人びととは接することなく、生きてきた民がある。
そのディテールだけでえもいえぬ感動がある。


民族史といえばいいか、こうしたつぶさな観察から私が想像するのは
テレビが持つ力だ。
日本列島、意味しも日本国民として連帯感を持つ我々日本国民が
その領土の中に不気味な、暗い影をもっていたことへ
テレビがきっと果たしただろう効果は絶大だったと思える。


それは旅をするときにも、宿がなければその辺に寝転べばいいというような
とんでもない安心感の育成に貢献している。
本書を通じ、オオカミやクマが山間に合間見える日本を想像し、
闇を多く持つ国土を想った。