自分も既に大人を客観視できるほど、若くはないが
大人を見ていて、彼は何を思って生きているのだろうといった
率直なところが気になる。


大しておもしろくもないその話が彼らの外郭を築いている。
何を一生懸命、話しているのか笑っているのか、ふとまるで分からなくなる。
そこに集まった身体たちの中身は空洞に思え、いたたまれない気持ちになる。


空洞ではきっとわずかに風が上昇する音がコダマしているのだろう。
妙に気持ちがいいかもしれないとさえ、思える。
空洞人間といった語感が気に入ってくる。
素焼きのようなすぐに割れてしまうところが、その空洞の切実さを物語っていやしないだろうか。


書き直しをしているうちに、ひょんなところへ結句が行き着いてしまった。
空洞人間にはよくあることである。