緑の家(下) (岩波文庫)

緑の家(下) (岩波文庫)

情景やれ、ディテールやれは浮かんでくるものの、
私は小説たる小説を絵画のようにしか見れないので
一体、なにがなんなのかまるで分からなかった。


なによりも登場人物が私の中で整理されず、ページだけが進んで行くゆえ、
私はいつまでたっても小説の時間に進入できないでいた。


小説を読むには、ぐるぐる回るなわ跳びに自分が入って行く前の
シンクロ時間が必要なのだと、一人ごちた。