訳の分からぬことばかりだが、病院では
死体安置所、俗に霊安室という居室があり
そこに何台の冷蔵庫を入れるのかを検討した。


死体は、専門家によると焼くと異常な匂いや体液を発するらしく、
そのため、体液は特殊な系統でドレインから浄化槽に流され、
Incineratorから発する煙は高さ20mの煙突によって
上空に放たれるようである。分かりやすい。


では、一日に何体の死体を焼くのかという算定をすることになると、
その敷地の周囲にどれくらいの患者数が見込め、
またどの程度の率で安置所に送られるのかの定数が見極められる。
燃やすためには、何リットルの石油が必要で
するとどれくらいの大きさのタンクがいるかが分かる。
量が分かると重さが割り出せ、積載荷重の計算へと回って行き、
大きさが分かると面積に対してどう計画可能かが決定できる。
メンテナンスなどといかにも専門家のふりをするのに都合のいい言葉を
ここでひとしきり言ってみることもいいかもしれない。


積載荷重と平面計画が分かるとコンクリートのセクションが描け、
地盤を平板裁荷試験にて強度を割り出し、
どれほどの広さの基礎をどの形式でどれくらいの深さで打つのかが決まる。


すると、コンクリートの体積が計算でき、
そのためにどれくらいの砕石、セメント、水、混和剤が必要となるか、
またその工期、間接、直接費が分かってくる。


セメントはいつ、発注をかけるのかを決め、費用が当然のように調整される。
そのセメントにC3Aと呼ばれる化学物質がどの程度入っていれば
工事を行う地盤に適正かが話し合われる。


クリンカを焼成して、パサパサになったセメントは
どこの国で作ったものであれば、いいのかが議論される。
契約にあるスタンダードに準拠しながら、セメントを敷地内のプラントに
搬入し、上にあったような砂利、水と混ぜ込む。
コンピュータ制御で絞り出される、生コンクリートミキサー車
一通りかき回され、小さなコーンに詰め込まれ、スランプテストを行う。


勉強になっているのか、なっていないのか。私にはよく分からぬ一週間である。