この間、大変恐ろしく感じた話がある。
アフリカでは今もエイズが大きな社会問題になっている。
その病に対する恐怖から、ある迷信がその地域に流れたらしい。
白人の処女とやれば、エイズが治るというものだったそうだ。


その迷信を信じた人々が出た行動は想像のとおりだが
あまりにシンプルすぎて、恐ろしさを感じた。

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宮田律(おさむ)という人が書いた。
職場にはこの手の書籍が雑然と置いてある。


島国の人間が大陸をどれだけ分かるのだろうか。
一人が均衡を保つために、周りに差を生み出している。
ある国がEUに加盟できていない理由の一つに
その国の労働者がEU圏内に大量に流入してくる事を懸念しているというのがあった。
失業率の話につながるということになる。

イラク (光文社新書)

イラク (光文社新書)

田中宇(さかい)は個人で国際ニュースを配信している方だそうだ。
サイトは有料なので見る気がしない。
http://www.tanakanews.com/


こちらにいると、必然的に国際情勢、特に中東のニュースが気になる。
私自身の行動範囲が報道が伝える政治情勢によって直接的に影響があるためだ。
また、日本のような単一民族で構成される場所と異なり
多様な国籍の人々がいるため、彼らがなぜここにいるのだろうと気になることがある。


本書はイラク国内の政治の話から現地の感触などを伝えている。
読んでいて思い出したことを書いてみる。
イラクは有名なメソポタミア文明の発祥地であり、
そこかしこにかなり古い遺跡が残っている。


ブリューゲルの絵で知られているバベルの塔
バビロニア帝国のあったこの地にあったらしい。
先日、私はその遺跡を幸運にも見学してきた。
そこで発見したのは、サダム・フセインがそれらの遺跡修復に力を入れていたらしい事である。
遺跡自体は完全に復元されたもので、私には模型のような薄っぺらいものに見えた。
部分的にはオリジナルだと称している箇所もあったが、それも怪しい。


このフセインが遺跡修復に力を注いでいたというのが
国家をまとめるために、アイデンティティのようなものが必要となったのだろうと想像される。
打ってつけのものに、建築が使われたのだろう。
建築史では、似たようなことが繰り返されている。


建築的な感動は私には無かったが、
夕暮れ時のヤシの木に包まれた中でバビロニア帝国は栄えたのかと
それだけがひとまず、私にはおもしろく感ぜられた。


ヤシの木というのは面白く、かなりたくさん茂っている割に
周辺の街並は煉瓦やコンクリートブロックで作られている。
建材としてはまるで役に立たないようである。
一方のレバノンで見たレバノン杉はエジプトやローマでも使われるほど優秀な木材で
今では禿げ山になっており、一部が天然記念物のように保存されている。