明らかに製図のプロと言うような人がいる。
皆建築のプロには違いない世界なのだけど、本物は図面に宿るように感じる。
その人の図面は群を抜いている。目も覚めるような美しさだ。
ラフな格好で欠伸をしながら描いているのに、一糸乱れぬ、線の調子。
CADの線は不毛だが彼の線は生きている。
これぞ、プロフェッショナルだとビリビリする。超一流のピアニストを連想させる。
均質で冷酷な線の調子に、密実な生命が宿っている。


所詮、ドラフターマンですよと、きっと殊勝な事をいうに違いない。
同じ時間を与えられているのに、こうも違うのか。
その人が描く図面はキラキラ光っている。顕微鏡で覗いたらきっと、雪の結晶でも見えるのではないだろうか。
プロフェッショナルだと言う自負そんなものに自分もありつけたらと思う毎日。
結果が全てとよく言うけど、プロフェッショナルは金太郎あめだ。
どこを切っても金太郎なんだ。諦めたまえ金太郎たち。



シャツってありますね。
いろんなタイプがあります。襟が小さいのから大きいの、シルエットがタイトなものから広いもの
デザイナーの渾身のデザインでドレッシーなのもあれば、毎日着ても崩れないタフなのもある。
こういうシャツをミシンで図面を見ながら作って行く人がどこかにいるはずで
彼は新しいデザインを見て、ここはこうやって縫えばいいのかと次々インプットし、見事に作り上げてしまう。
きっと彼のシャツは、彼のシャツにおける哲学が現れているかもしれないし、
もしかしたらまるで、シャツには興味もないかもしれない。ズボラな格好かもしれない。
彼はどんなデザインだろうが、こうやって縫うのかと毎日、やり遂げてしまう。これはすごいことだ。


きっと休日にはお気に入りのシャツにアイロンを丁寧にかけて
気のいい女の子とお酒を呑んだりもするだろうし。
来週に備えて、白いシャツを折り目揃えて準備しているかもしれない。
5年履いた革靴を修理に出し、新しいスニーカーを買う事もあるだろう。
シャツを縫っている人はどんな生活をしているのだろうと、そんなことを思った。



FIRST PLACE AGAIN

FIRST PLACE AGAIN

Paul Desmond のアルトサックスを聞く。
教えてもらった彼の演奏を自分のもののように思ってよく聞く。

Offramp

Offramp

80/81

80/81

Pat Mehtenyの演奏を聞く。


Inside Out

Inside Out

音楽のレビューを書いていることになるのかもしれないが
「聞いた」というほど、聞いたのだろうか。と思える。
これはただの、見聞録だけど、それはそれでよかばい。