近代五原則ってありますよね。
自由な立面、平面、リボン窓、ピロティ、もう一つが屋上緑化である。


よく分からないのは、自由な立面とリボン窓は同じですよね。四原則じゃないか。
自由な平面も実は同じ構造形式によるアイデアでこれもいっしょです。三原則じゃないか。
カーテンウォールと間仕切り壁は構造から解放されている。
つまり、床の持ち上げ方が分かったって言ってる。
積層する床を外部に開けれる!って言ってるだけじゃないか。1原則じゃないか。
近代一原則は高層化だ。と思ったのが大学生の私。


まあ、石や煉瓦ばっかりの時代だったから、すげーってなったんだと思うけど。
ただし、この屋上緑化は少しばかり性質が違うと思った。
緑化は基本的には大地のメタファーでそれが高層階にあることにおもしろさがあったんだと思う。
実際には、超高層になると風でふっとんじゃうんだと思うし、外に出れませんよね。
上層部にまで緑がある建築は、あったらやっぱりおもしろいだろうと思う。
65階のトイレにタンポポが咲いているみたいな。


さて、屋上緑化ですが、実は気になって調べたら屋上緑化の製品なんかを見ると有難いことが書いてあるのだけど
環境工学の教科書の備考欄には否定が載っている。
ネタ元のT大学生産研究室に問い合わせたら、局所的には効果があり、広域下では極微量。
シミュレーションの設定が現実の都市は異なるとはいえ、相当に低い効果しかないようである。
ただ、行政では屋上緑化推進をとっているため、一級建築士のような国家試験では当然、そっちでいいらしい。


CASEBEEの評価など、建設業界ではどんどん取り組んでいっているのに
研究が曖昧というのは、なんともよくわからない。
結局、どの人の言う事を信じるのかという権威探しになりそうだ。
そんな曖昧な事実にも関わらず、発表が控えめなのはそういう時代だからしょうがないのかもしれない。


それよりも問題は、権威に裏をとって事実だと言っている私の体質だろう。
意匠屋は結局技術から阻害され、責任を押しつけるしかない。
しかしおもしろいのは、技術屋もそれほど透明な世界ではなさそうなことだ。
問い合わせた先生が言うには、建築家は主観をどれだけ共感させるかにあるという。


こういう問題に取り組むのは、単純に疲弊するので見ないことにするのが良いのかもしれない。
原則は屋上緑化をするときは、みんなにそれを見れるようにすることが大切ということか。