前川國男の建築を見ているとタイルを制作するのはおもしろそうに感じる。
幅木の所まで立ち上がっているL型の深いブルーのタイルや
階段の蹴込みまで回り込んでいるものをここでは作っている。
手摺はお尻くらいの大きなの木を滑らかに削っているし、
壁はやっぱり砂利が荒々しくむき出されている。


そういう気分の延長に中庭にある庭園の樹木があるように見える。
手際良く綺麗にカットされた曲線は深目地のブロックといい関係を作っている。
サッシュのデザインが先鋭化している現代からすると、溝を作ったりして表情をデザインするようなことが
妙に新鮮に見えるのかもしれない。


作家という概念がもうどうでもいいような気がしている。
むしろ、マテリアルが犇めいている様子そういうほうがおもしろいと感じる。



Murano Glassの制作をちらっとテレビで見る。
そのドロドロの真っ赤なグラスが飴細工みたいに形を作っていく様子は
グラスのほうが自発的に選んでそうなっているようである。
竃でこういうグラスを作ってみたいな。