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東工大は、必ずしも図面が揃っているわけではないが
それでも中々おもしろい図面集がある。
今日、まじまじと見ていたのが
ルドルフ・シンドラーのものである。
これは私は初めて見たが、かなり分量のあるドローイング集である。
ほぼ、全てが住宅で、マコトに美しい図面ばかりである。
設計はやっぱり、図面の美しさにあるなあと、しみじみ思う。
こういう昔の人には、私たちはもっと敬意を払うべきだろう。
ただ、丁寧とかそういうもんじゃなく、分厚さがたまらない。
論理的整合性があり、部材をよく知っているだろう人が描いているので
実体感が強い。
すばらしい図面集である。
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1963
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世界美術大系という講談社から出ているものを眺めた。
内容は、「原始美術」である。
美術や芸術といった概念は18世紀に形成されたとあったから
この原始美術ってのは、すでにヘンテコな言葉だと言える。
内容は世界各地の太古の民芸品、民具であり、
アフリカや東洋のお祭りなんかのお面や剣、人形のようなものが写真で掲載されている。
大英博物館で古代エジプトやインカといった、
インディー・ジョーンズに出てきそうな宝石や人形、仮面を見た時も血が騒いだ。
人形など人をスケッチしてもこんな形には中々なるまい。
抽象化のほうが先に造形言語として成立していることに驚く。
人体をいかにスケッチしようとしても、こうはなかなかならない。
近代に発見された抽象化の作業は、彫刻や絵画においては原始の発見だったのかもしれない。
本書のシリーズで他に現代美術があるけど、驚く程つまらなく見える。
本書に岡本太郎がテクストを寄せている。
バクハツの彼である。
目があって鼻があってほっぺたがある。それが顔なのに
ふくらんでいそうなところが、思いっきり陥没していたり
穴が開いていそうなところが突出していたりと意表をつかれ、太郎は興奮している。
まさにそんな感じで、見ていてギョッとする。
人をスケッチしていてたどり着くような造形感覚ではない。
白に黒が目ん玉なのに、逆だったりする。
顔は神秘的な表情なのに、身体はコケティッシュなほどちっちゃかったり。
皿みたいに湾曲しながらへこんでいる顔面
なんという瑞々しさだろう。
現代はそうしてみるとあまりにもソフィスティケートされ汚染されている。