週末は、ことの他慌ただしく過ごした。
親戚の結婚式が住吉大社で催されるため、西へ赴いた。
妙に心浮き立つものがあった。


住吉大社と言えば、伊勢神宮出雲大社にならぶとても古い神社形式を持っており
そこで式を行ったのは、うれしいものがあった。
境内には、古よりそこにあるのだろうか大きな樹木が何本も見られ、
そうした中で社がまた、よく合っていた。
神社自体は、建て直されており妙に綺麗になっているが
その様式は、やはり太古のものだと感じる野暮ったさがある。
部材のスケールがやはり、少し大きく大味であり、原始的な迫力になって映る。
神道で式を執り行ったことと、神社がそもそも格式のあるものだったため
厳かな時間を経験することができた。


日帰りと思っていたが、祖父母に是非、泊まっていかれよと薦められ、
祖父母の家にその日、一泊して朝一番で大阪を出た。


この祖父母の住まう住居は、祖父や父が建設したのだという。
終戦後、焦土と化したそこかしこから、
材木や板を拾い集め、少しずつ拡張してきたのだと言う。
まったくのバラックでありながらも、床の間や違い棚が拵えてあったり
梁に桜の丸木をそのまま使ったりと数寄屋の趣きも少しばかりある。
非常に小さいもので、細かい所までメンテナンスが行き届いており、
しっかりと使われている感じがして清潔感がある。
最近、瓦を張り替えたそうで、尚、大事に使っているのである。


猫の額とも言えそうな庭と、それを包む生け垣がなんとも言えぬものを感じさせ、
軍隊仕込みの祖父のストイックな生活様式の中に、
なんらかの美学が現れており、それがまたいい。
玄関に飾ってあるミレーのレプリカからもそう思わせるものがあった。
なんと清潔な生活だろうか。