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川崎である人物と麦酒を呑む。
この川崎という街には肌触りがなく
それがことの外、気持ちいい。
空襲前の一時の賑やかさのような
ヒソヒソとした歓楽街を思わせる。
肌触りという波が引いていった後の微かな残存として
都市らしきものが取り残されているようである。
先日、この写真を生業とする人物と話したことの一つで
「湿式」と「乾式」についてがある。
これは先の福田和也によるところが大きく、
近代化を目映い限りの光、乾式のものとして受容した日本では
新たに湿式だと思わせる文化が時を同じくして意識された。
建築工法にも石張りについて乾式と湿式なるものがあるが
湿式は不穏なものとして扱った経緯があり、未知の状態にしてしまう怖さがある。
この塗り込めてやりすごく態度に対する反発として
乾式のディテールなる結構術がまた、優れて乾燥していると見えてくる。
ここには土地との距離の感覚があるかもしれない。
すなわち、縄文と弥生のタイプを想起させるのではと話はごちゃごちゃになる。
ことは一気に現代へ引き戻
されるが、
ヴォルフガング・ティルマンスの写真の出現は水気を多分に帯びていると私は言ったが
写真家は、極めて乾燥したものとして昇華しているように捉えていた。
あそこに写っているものは、明らかに水気を帯びたイメージであり
「落ち着かなさ」を感じずにはいられんのである。
支離滅裂で、とくに読み直すとボクが言いたいことじゃないことが
書かれているが酔っぱらうとは、天才バカボンよろしく、このまま出す。
- 作者: 石山修武,藤塚光政
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事務所で本を捨てたときに、頂いて来たもの。
藤塚の写真がすこぶるいいと言うので、そうなのと思い見てみる。
突き出たガラスボックスのガラスの色見が非常に気になる。
天井面のクレーターみたいなものを撮ったものがあるが
形の魔力を感じる。