早速と言おうか、築地本願寺を見にいく事にする。
かなりキナ臭い建物である。
裏手のほうもグルリと見回ったが
動物たちが生息している領域が人が通る場所に限られている。
仕上の密度が極端になっている所が悲しい。
裏は裏で非常に低コストで仕上げられ、
玄関はぶっとい手摺を無垢の石を使っている。
設計が上手いようには思えない。正直、画面構成しにくい建物だと思う。




伊東忠太を知っていますか

伊東忠太を知っていますか

鈴木博之 編


彼が建築通史の最初だったらしい。
先に東京帝国大学で教え、後年早稲田大学でも教鞭をとっている。


藤森によれば、忠太はギリシャ、インドといった世界の建築の起源は木造で
煉瓦や石造に進化したといい、建築進化論として理論化した。
エンタシスの法隆寺への伝来をこうした観点で見る事ができるし
起源を求めて、ついに旅行へ赴く。こういう行動様式が今はなかなかないだろうな。


本書にある不忍弁天堂天龍門のスケッチを見る限り
繊細な感性を持っていたと思えてくる。



伊東忠太動物園

伊東忠太動物園

藤森照信 編・文
増田彰久 写真
伊東忠太 絵・文


本書では、エンタシスの伝来説は、怪しいとある。
藤森によれば、伊東忠太がすぐれていたのは、
大谷光瑞パトロンとした真宗信徒生命保険会社、そして建築進化論までだという。
後のオーソリティとしての伊東は大きな獲物を逃し続けてしまったように
続けている。
アジアをリードする学者、日本のシュペアーという大悪
この二つの冠を取り損ねてしまったという。


印象としては、それほど藤森がおもしろがっているようではないようだ。
東京大学の差し金で出版された企画なのだろうか。
実は一橋大学が、伊東忠太の動物がたくさん生息している地帯らしい。
今度見にいってみよう。



本書では伊東忠太が描いた妖怪が挿入されている。
これと増田の写真が本書ではおもしろい。


ライヒ:ベスト

ライヒ:ベスト

スティーブ・ライヒのもの。
もう少し、期待していたが現代性は失効しているように感じる。