今日は、リハビリに診療所に向かった。
その帰りの電車で少し気になる女性が二人いましたので
その事を書こうと思う。



一方は30代後半だろうか、白髪が一本生えていた。
背は155センチぐらいだろう。
服装は媚びることのない、少し子供っぽいものを身につけている。
表情は厳しげで、少し年齢を感じさせる風格がある。
彼女はケータイでメールを誰かに送った後、
手に持つ雑誌のコピーを熱心に眺めていた。
その雑誌は、明らかに新建築であり、
どこかの高層ビルのプロジェクトである。


彼女は指輪をしていないところを見ると男らしきものは
まわりにいないのかもしれない。
うっすらとアイシャドウをしているところが
彼女のなにがしかを語っているように思える。


さて、もう他方は私のとなりに坐っていた。
彼女は30代前半、髪の色はライトブラウンに仕上げているが
もう随分たつのだろう、黒の割合も多くなっている。
全身、黒でコーディネートされており、革のブーツはモダンであるが
どちらかと言うとオシャレなどする余裕はなさそうに見える。
彼女が熱心に見い入っているのは
一級建築士資格受験用のテキストのようだ。
環境工学とページ左上には見える。
丁度、空気調和器のあたりを開いているようだった。
手には、蛍光色のピンクのペンで次々とテキストを彩っていく。
空調ダクトの図から矢印が引っ張ってあり、何やら考えるヒントのようなものが
赤ペンでそこかしこに書かれている。


彼女もときおり、流行の広い画面のケータイで誰かと連絡を取り合っているようだ。
テキストをそっちのけで、誰かと連絡を取り合っている。


彼女たちは、今頃、家につき、どんなことをしているのだろうと
思いを巡らす。