環境としての建築―建築デザインと環境技術

環境としての建築―建築デザインと環境技術

レイナー・バンハム 著
堀江悟郎 訳


かっちんこっちんの訳出に辟易したが
本書は野心的に地殻変動を狙っていることはよく分かった。


環境工学が成立したのは
国際的に調整された空気をつくるためというよりも
都市が高密度化したことのほうが先であるように思える。
それは超高層を生み、地下鉄や劇場といったインテリア化した都市を成立させた。
室内で育まれたTV的身体はその配偶者として「環境」を創造した。
建築から環境を吐き出さざるをえない衝動がある。


よくよく、身体と言ってはいるものの、視覚を乗り越えたと言えるものだとは
到底いえないように思えるし、その意味でも本書は
視覚の配下にあるように思えた


都市の高密度化は資本主義がその背後にある。
都市を不快だと感じているにも関わらず、都市から離れられない頭の悪い身体は
やっぱり、TVの見すぎによるのではないだろうか。