案外、ジョギングは継続できている。
身体と脳は密接な関係を持っているようで、
走ると、学習効率が非常によくなる。
少ない時間でどれだけ、吸収できるかを日々考える上で
ジョギングはかかせないものである。


ロベルト・ムージルの書いた「特性のない男」を
今日は少しばかり捲ってみた。
第一章だけ眺めたが
なにも起こらない様子を記述する冒頭は新鮮である。


例えば、エレベーターに乗って上昇するとしよう。
ドアが開いた時にステンレスの壁の傷跡や防災センターの電話番号
昇降機の上昇する音、床のマットの質感。
天井を見上げれば、蛍光灯が二本と防犯カメラが付いている。
同乗者のシャツのしわや、耳の穴の汚れ、女の子ならストッキングの穴など
無数に、記述されようとしてるように見えてしまう。
なんとドラマタイゼーションに溢れ返った時間だろうか。
目的階についてからドアが開くまでの時間にそれら全てがやがて一つに収束していく。


一日の時間割に「文学」があってしかるべきなのだろう。
それはほんのわずかな時間でも、きっと世界は劇的に変わる。