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商業ベースを嫌悪するのはなぜだろうか。
非消費的に振る舞うことでは
消費から逃れることはできず、
依然その二項対立の存在を認めているように思える。
興味があるのは
この商業ベースへの嫌悪がどこから生まれたのか。
事実、経済から解放された存在にはなろうとしていない。
それほどの勇気のある奴はいない。
歩きながら自分の足を罵っているようなものだ。
芸術や美について語る時には
徹底的に罵られるのに、
明日のパンのためには
必要だと言われている。
こいつが私はけなげで、可哀想に思える。
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トッド・ヘインズ 監督作品
やはり、決定的に画面が対象に負けている。
どこか大河ドラマを見ているような感覚に近い。
ボブ・ディランの音が映画をまとめてしまっていて
映画としての自立したものはなかった。
この大河ドラマ的な感覚は
実はプロフェッショナルな領域だとも言える。
アマチュアじゃ撮れない水準だと思う。
豪華な結婚式が悪いわけじゃないが
ここには目が水蒸気で曇ってしまったような
どうしようもなさで満ちている。
本作を見ようと思った理由の一つに
ケイト・ブランシェットがある。
「ああ、やはりな」という感じがした。
こういうがんばり方をどこかで軽蔑している自分がいる。
彼女をもう少し追ってみよう。