ロートレックとプロレス


サントリーホール
新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏を聴きにいく。
ベートーヴェン交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
というもので、いわゆる「ダイク」と呼ばれているもの。
ディスカウントで安いチケットが回って来たので
せっかくと思い、行ってみた。


演奏、ホールは良かった。
市民は月に一度くらいは、スタジアムやホールと言った
建築体験をするべきだと感じた。
それくらい、その辺りにはない質の「空間」がある。


ふと演奏中に、目の前の光景が奇妙に見えてくる。
ベートーヴェンを聴きにくる東洋人の集団が
背広を着て、ドレスを着て、白髪をなで付け、
イヤリングやネックレスをじゃらじゃらさせて
舞台を360度囲んでいる。
拍手だって?一体いつからそれが当たり前になったんだろう。


インターコンチネンタルホテルのロビー
でかいクリスマスツリーが飾られている。
ハリウッドスターにでもなったような気分が味わえる場所だ。
ホテルのデザインをしている人は、もっともデザインで
社会に貢献している人ではないかと思える。




今井兼次先生 設計の
大多喜町役場増築プロポーザルがある。
この物件を当時担当していたのが
池原義郎先生という。


今回、このプロポーザルの審査員を古谷誠章先生が務める。
早稲田の熱いプロレスがどういう行く末になっていくのか目が離せない。
池原門下の建築家もこぞって参加するだろう。
是非、プロレスに興味があるなら参加するべし。

http://www.town.otaki.chiba.jp/new/proposal.html



歴史を考えるヒント (新潮選書)

歴史を考えるヒント (新潮選書)


網野善彦 著


最近、博物館に展示してある、
書物や絵巻物が気になっている。
網野氏をはじめ、昔の事を調べている人は
こうしたものを読みまたは見、
かつての事を考えているのだろう。
しみじみと奥が深いと感じる。


本著ではそうした中で使われる言葉に
壮大な想像力でもって意味を推定し、断定する過程が
おもしろく読める。


「日本」
この言葉を考えることは、現在の世界情勢の中での
自意識について考えることに繋がると思う。
なんの因果か、私も一応日本人らしいし。


建国記念日」という意味不明の記念日があり、
国歌という得体のしれないラブソングを
体育館で合唱したことのある私たちにとって、
ここに意識を持っておくことは、
少なからず自分を知ることに繋がる。


浄御原令(きよみはらりょう)という法令が施工された698年に
「日本」という国名が決まったらしい。
その後、大宝律令が制定され、遣唐使が唐に渡った時に
対外的に始めてこの言葉は使われた。
遣隋使の時は、倭王の使いと称していた。


意味についてが、おもしろい。
いくつか説があるという事は知っておきたい。
「日出づるところ」という意味が背後にあるのが現代の共通認識らしい。
太陽が出るところ、すなわち東の方向にあるという意味と言える。
どこから見て東なのかという視点が必要なのです。
オリエンタリズムの考え方をしょってる考え方だと言えます。


不思議ですね。アメリカと日本どっちがより東か
これはぐるぐるまわりますね。
北極点では磁石が廻るといいます。つまり東っていうのは、
リンゴの皮みたいなもんですかね。