ショート・ホープ

清陰星雨

清陰星雨

中井 久夫 著

1934年、奈良生
京都大学医学部卒業後、精神科医、大学教授を務める。


47篇からなるエッセイとサブテクスト


柔和な言葉とテーマに、深い手つきが感じられ、
言葉の一つ一つを丁寧に捉えたくなる。


異文化と接触した経験のある人ほど、
日本的なものを批判的に見ていたことを本書を読み思い出す。
大学のレクチャーの後、質問のある方はいるかとの問いに
静まりかえっている場面に遭遇したことのある人も多いだろう。
一方、質問は案外、稚拙なものである場合も多い。


日本の教育では、質問は、同じことを聞いていた人々に求められる点で
優劣を決める場所だと判断されやすい。
分からないなら聞けばいいのだが、
くだらないことだと自分で判断してしまう点がくだらないのである。
しかし、質問することが目的化するとどうであろうか。
考えてないことをさも議論へ参加しているかのように振舞っているだけになる。
考えよ。



「いじめ」について、最近はもっぱら考えなくなった。
本書で、中井は「標的化」「孤立化」「無力化」「透明化」を経て進行するという。


私の中学時代にも、少し変わっている人がいた。
避けられていたという点では「いじめ」られていたようだった。
幸運にもというべきか、彼女は私の右斜め前に座っており、
授業中私はずっと彼女を観察していた。


彼女は明らかに他の女学生とは異なっていた。
私には彼女が宇宙人のように見え、彼女が書く文字もなにか神秘的に見えていた。
彼女は果たして「いじめ」にあっていたのか、よくわからなくなった。









ここ最近の活動を通して
ますます、自分が分解されていくような気持ちがある。
しかしそれでいいのである。
分解し、ボロボロにして雑巾のようになって
踏んづけられ、風が吹き、雨が降り、
ある日、芽が出ることを待っている。


まだ、芽は出ません。
眺めても眺めても芽が出ていない植木鉢
土の表面に、ちっちゃい虫がいたり
土って色んな物でできてるんだなって改めて思ったり
芽が出てないから、水ばっかりあげたりしてます。
水をあげて、プスプスいいながら鉢の底から水が出てくるのを
確認し、芽が出ていないことを忘れてまた日常に戻る。


いろんな本を読んで、考えて自分を分解し破壊します。
映画を見て考えてぶっ壊します。
これから長い長い時間を過ごしていける体を鍛えていかなければいけない。