渋谷

猛スピードで母は

猛スピードで母は

長嶋 有 著


映画でサイドカーに犬が痛く気に入り
原作も読んでみようという気持ちになる。
原作も読んでみようという気持ちになったのは久しぶりである。


本書は、サイドカーに犬と猛スピードで母はの二編が入っている。
前者の洋子さんと後者の母
なんというか、素敵な女性だと感じます。


子供の目線で描かれていくのだが、
大人と子供が友達になれることに、どぎまぎしてしまう子供
モノを投げる母という設定がなんか良かった。
やっちゃだめなことをやっていく大人がいいんですね。


KTと渋谷で呑む。
彼の現場が今渋谷だそうで
それに合わせる。久々の渋谷。がちゃがちゃしている。


まだ彼は研修中らしく、様々な現場を一通り眺めている状況らしい。
勤勉に現場の勉強をしており、ノートをまとめていた。彼らしい直向さを感じる。
なんか現場の感じを思い出し、少し羨ましく思う。
時折、紹介しているが、デイビッド・ベッカムの言葉で
成功の秘訣は、Good Attitude.だというのを思い出す。
彼もそのうち、見事なフリーキックを決めれるようになると祈る。
自分が今やっていることは、そこに言ってるだろうかと顧みる。内省的になる。
祈れ、自分。


共通の質疑応答として
30歳の時点でのイメージについてと
無茶苦茶おもしろいことはなにか。


この無茶苦茶おもしろい事はなにかという課題は大変気に入っている。
みんな馬鹿だなと確認できるからだ。彼も例に漏れずだ。
まずは蒼井優だそうだ。
「作品集も全部買った」そうだ。しかし作品集と呼んでしまう当りが建築家だ。
蒼井優を見ているときに、無茶苦茶おもしろくなってくるらしい。変態だと思う。


建築家Iさんの下で考えたこと
主に表現についてだと思うが、おもしろい話だったので私なりに解釈する。
デジタルとアナログの線があったら、どういう差があるかを考えると
線そのものの性質、均質かどうかが挙げられる。
だが、「修正できる」性質もデジタルの得意分野であると思う。
アナログな線が追いかける「もの」を単線にて指示することがデジタルな線には可能だ。
修正することで完全犯罪に近づいてくる。
この犯罪感がアナログでは許容されないように思う。


複眼的にものを捉える視線の移ろいによって
人はものをデッサン、スケッチし、捉えていくように思う。
その視線の移ろいを滑らかに統合していく。
たとえば、私たちは絶えず、首がゆらゆらと動いていることで
いくつかの視線がその風景の変化率を演算処理し、立体的に捉えていく。
光の軌跡とゆらゆらで、立体を捉えているように思う。


TKは、アラスカの氷山で距離感のない景色に不思議な感覚を覚えたという。
遠景はゆらゆらしたところで変化が極めて小さい。だから単眼的に見える。
光でその情報を知覚しようとするが、雪景色だと光の濃淡が得られなくなることから
そう見えたのではないだろうか。


そういえば、彼は8月に手術をしたらしく、アイスホッケーの選手みたいな
防具を足につけていた。