不動産屋は二度ベルを鳴らす

私の大好きな建築家であるJean Nouvelのアトリエが
設計に携わっている電通ビルである。
改めて滅茶苦茶かっこいいビルである。
ガラスの色が他と違う。

ちなみにNouvelは
SEX&THE CITYにも準レギュラーで出演している。


昨日は高校時代の友人と話す。
もちろんサシノミである。
不動産屋をして生計を建てている。

ここでおさらいする。
不動産屋と言っても区々であり
いくつか大きな違いがあるので見てみよう。

不動産業は大きく4つに分けられる。
1.開発・分譲(デべ) 自社で土地を取得して、宅地造成、オフィスやマンションを建設し販売 
2.賃貸       自社で不動産を所有し、オフィスや住居として第三者に貸す
3.流通(仲介)      不動産を売る/買う、貸す/借りる の間に入り物件情報の収集/提供や契約を仲介する
4.管理       ビルやマンションの維持・管理を行う。

彼は3.をやっている。
中小企業で他の工務店ハウスメーカーが建てたものを扱うのである。
自分で土地を持たないためリスクは少ない。
多分リスクが少ないという事は地道な作業となる。
なるほど彼と話すと、大手ゼネコン(竹中、大林、鹿島、大成、清水)は、栄光の会社であるということが分かる。
不動産では財閥系他(三井不動産三菱地所住友不動産東急不動産野村不動産ホールディングス)。
住宅では、積水ハウス大和ハウス工業住友林業積水化学工業旭化成ホームズといったところだ。




こういうビジネスをする時に
「大手」に対して「下請け」という言葉をなにか蔑んだように使う人が多い。
だが、どうだろうかビジネスは皆、下請けじゃないのか。
自分が知らない会社は世の中にいくらでもあるだろう。
世界をもっと知ろう。


彼は営業職であることに誇りを持っているような感じがあり(十分嫌がっていたけど)
彼が仕事で得た多くの経験から発見した価値観は
なかなか堪えるものがあった。
営業はかなり基本的な仕事であるため、過酷であるが
その過酷さが彼を一回りも二回りも大きく見せている。


多くの物件を扱っているためか、
デザインや建築家に対しては極度に冷めた目を持っている。
不動産をやっている人の多くはそうであるように思う。


特に感じたのは先の耐震偽装問題によって
設計者の地位は相当下がっていると言う事だった。
自分が人生設計してローンを組んで4000万で購入したマンションが
偽装問題で建替えとなった場合、「上物」の建設費分払えとなる。
人生設計は2000万程度誤差を生じ、6000万のローンを支払うのであれば
何年分自分を縛り付けるだろうか。
そんなことを言われ続けた。


主婦のガーデニングみたいなものとなっているのが
現在のデザインだろう。
リスク社会において意匠はリスクに他ならないとでも彼は言いたげだった。


それにしても不動産屋は不動産用語をたくさん使う傾向がある。
そういう言語域を持つ事でプロフェッショナルを自認したいのかもしれない。







東京倶楽部は見ただろうか。すばらしいクオリティを感じます。