異端

青木淳
変わっていると感じる。
彼はトランプでいうところのジョーカーのように思う。
トランプでいうジョーカーは
とても強いカードというイメージがある。

だがジョーカーは最強のカードであると同時に
最弱のカードでもあるはずである。
いやすべてのカードの性質を持っているのである。
オールマイティは最強ではないが最強でもある。
最強という競争的世界からは無縁で
どちらかというと宇宙と言った方が適切かもしれない。

原っぱと遊園地2を斜め読みすると
彼が異端なのではないかと思い始める。
ひねくれて異端化しているのではなく
ストライクを投げて思いっきりデッドボールを繰り返しているような
感じである。

にわかに青木淳がおもしろい気がしていきている。

1956年に神奈川で生まれているから
2008年現在52歳ということになる。大仁田厚と同じ歳だ。
東大工学部建築学科卒業後、院を修了。
83〜90年に磯崎新アトリエに勤務する。プロフィールは結構本人の目が入っている場合が多い。
彼は師事という言葉を使っていないところがこれまでとずいぶん違う。
勤務のほうがいいだろう。
91年、35歳で事務所を設立している。
現代アートとの距離が近い建築家だと思う。