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- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1978/08/08
- メディア: 文庫
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ぎょっとする一言があると睨み読む
お金について学習院にての講演
ここで考えれば至極当然のことなのだが
読んでいるときにぎょっとした
つまり、漱石は権力や金は道徳的節度でもって
行使されるべきであると説くわけだが
権力はさておき、
お金が常に恐ろしいものであるということを説明する段において
我々が元来持ているイデオロギーが仮にあるとする
ある日お金を持つ事で
容易に馬鹿でかい土地を買うことも
奴隷を雇うこともできてしまう
それが自分を閉じ込めていた殻を破壊してしまうかもしれない
とそんな趣旨だったように解する
イデオロギー自体を変成しうるようなものが
いくらか払うだけで手に入ってしまうことが大変危険だというわけだ。
ここに少なからず、ぎょっとしたわけである。