旅行潭

sawane2007-08-20

古谷氏の建築を見たことを記述しておこう
この建築が優れていると感じるまでにそう時間はかからなかった
凝りに凝った、そして鋭い解答と挑戦があったと感じる

ある平衡感覚を失ったようなプロポーション
建築内にすべりこませてあり、その”拡張”されたプロポーション
対象外との接触を誘発してくる

三者のための空間がみなぎる強さでもって主体的に作動している
斜路をもった市民図書館は斜路にへばりついたパブリシティと同時に
これはある写真家が別の建築について語っていたことだが
だれも届かない公共性をその天井高でもって構築している
あのレベルに黒い螺旋階段が同軸に配置されており
回転方向がその軸とストライプを和らげている 

線路側のランダムでリズミカルな面は、リジッドで単調な反対面であってはならないとい
それ以外であればよい、という態度である
にもかかわらず、
先に決まったのはその否定的に決まったような面で
それ以外であればよいのだから、反対はそれでよいとも見えてくる

建築には外周部が存在するが、それは事後的に発生するような現れ方であることが少なくない
だがここでは徹底的に解放されており、古谷氏の講義であった袈裟の下の竹籠のような
風通しの良い街との接触が図られている
建築の縁を建築の外周ではなく懐へ蓄えている転倒が
かなりうまいと思う
駐車場、駐輪場がなくてはあの建築は成立していないと感じさせる

一つ、気になったのは、屋上への階段とその屋上だ
あれは、成功しているとは思えない
雨水の流入後が痛々しい(もう対処してあったが)

散文にすぎないが覚え書き程度で締めておく