グランド・フィナーレ

やけくそだ

阿部和重の映画に纏わるものは
いくつか読んだが
小説は初めてだった
濃いピンク色の帯に
芥川賞受賞作と書かれ
こいつは小説家だったのか
と初めて知ったような気分になる

ロリコン男という設定が
全く持って馴染めないままやらされているような
沢見のその馴染んでいない服を着ている男に
また馴染んでいない私がいつのまにかいる

ケータイを機種名で呼び習わす距離感がいい
だが、現代的だと誤解されるような用語が
やたら登場してくるあたりで、かませ犬かと疑ってしまった
電化製品との距離感がどうしても世代が上だなと感じる