ParisでPierre Chareauの仕事を訪れる。

本人がどんな気分でこいつをつくったのかしらないが、
古いコメディを眺めている時の優しい笑いを誘っているかに思えた。
いつも、英雄のように振る舞おうとする建築の強さはそこには不思議とない。
人に見つからないように誰かをおどろかしてやろうと息をひそめている子供だろうか。


靴下も裏返しにはいてきてしまうような、とぼけた冗談。
引き出しを閉めれば、他の引き出しが飛び出してきそうだ。
優雅な音楽に合わせて、窓やドアがスライドしながら踊りだし、
トースターから勢いよく飛び出すトースト、勝手に動き出す掃除機
こいつは大掛かりな冗句なんだ。


まさか、こんな二枚目がコメディだなんて誰も知るまい。