熊野古道を訪れる。馬越峠と呼ばれる道を抜ける。
まっすぐに天を刺す檜の林と、山の勾配を隠そうとするシダの茂みの中を
かつての山越えに使われた石畳の道が貫く。
古より守られて来ただろう山の気配に、身体を預けてみると
神々しいものを信じてみたくなる。


新宮駅より少し行ったところにある
本宮は熊野造りと呼ばれる建築形式をとっているらしい。
石の階段を登り切り、門をぬけると
砂利敷の細長い間に三棟の建築が塀から屋根を覗かせて並ぶ。
この庭、と呼んで良いのか、の押しつぶしたような扁平な形が
建築のサイズに対して、いい圧迫感、迫力となっていた。