ベイルートにいる。どうやら何かしらあたったようで、
体中に発疹のようなものが出ている。
体にこんな異変が起きてずいぶん驚いている。
あのキノコがいけなったか、それともオリーブオイルか。
今夜は少しばかりつらい夜になりそうだ。

不在の騎士 (河出文庫)

不在の騎士 (河出文庫)

アジルールフォはなお一瞬、ためらっているかのようであったが、
やがてきっぱりとした、しかし落ちついた片手の動作で目庇をもちあげた。冑は空洞であった。虹色の羽根飾りを頂いたその真っ白い甲冑のなかには、誰も入っていなかったのだ。


カルヴィーノの仕事は、読むものに読むことの楽しさをこっそり教えてくれるようで大好きだ。