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- 出版社/メーカー: 角川映画
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アメリカ人にとって、イギリスはどういうものとしてあるだろうか。
故郷とはまさか思ってもいるまい。ペキンパーが描いたような凝固したバイオレンスが
どうしてイギリスの典型的な田舎町に発見されなければならないのだろうか。
平凡な人々の内部にも潜在的に宿っている暴力の性質、
平凡であればあるほど、彼らが悪を実行する能力をもっていることへ戦慄する。
と言ってみると、ああなんて平凡な表現だろう。そうじゃない
ペキンパーの暑苦しさ、汗や血を撮らねば、映画が作れないと思っている。
アメリカを逃れて、英国でやったところで同じだ。奴の暑苦しさを芝生と石造りの家々を背景としたところで
蒸し暑い室内のイメージは見ていて、例えばわざわざ中東の某国でなんか見るものではないと気づく。
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目眩のする映画。スケールの精度をいちいち確かめようとしてしまう。
例えば角砂糖とまち針、花の大きさは妥当なのか。
洗濯バサミは借り物なのか、自分で作ったのか。
水面張力が表現されているのがおもしろい。小さければ、小さいなりに我々のようにはいかない。
ぽっとから水は、同じように流れない。もう少し言えば、人間にあるもので細かいもの髪の毛は
きっと小人になればこうはならなそうだ。模型が小人にもそのまま使えるという設定だが
こうはいかないはずだ。重すぎるやかん、でかすぎるドアノブ、スケールが一々くるったセカイで
きっと彼らは気が狂うはずだ。はずみだけど、リュックサックを背負うと発する音が心地よいと気づく。
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人物への愛情が感じられなかった。
クモという魔女が大切に作られているがどうも顛末が雑に思えた。
人の醜さを描こうときっと考えた割にその醜さがどこか紋切り型な感じが残る。
原作が強く作用したがゆえの結果なのか、よくわからないが
古代帝国の息づかいがよく描かれている、
むしろ描きすぎて、多少説明的な感すらあった。
典型的なRPG的世界を逸脱するものがなかった。