今日はヨルダンの首相官邸で食事をした。
といってもずいぶん前にレストランに改修されたこちらでは人気スポットだ。


このうす汚いお客さんは早く帰ってもらいたいから、空調が直接当たるような席にすわらせようという意図を感じたが、それでも私はそれはそれでいいじゃないかといった寛大な気持ちになった。


きっとのそのご満悦な気分が伝わったのだろう、空調のよく当たる席にも関わらず、給仕たちは最大限のサービスで私の今日という日の食卓を彩ってくれたのである。

白いナプキンが三角形に折りたたまれてテーブルの上で行儀よくしているようなお店である。アラブの男たちの髭は切りそろえられ、黄昏時に街の喧騒が遠く聞こえてくる。昼下がり、客はまだいない。夜の準備を始め、にわかに忙しくなってきたころあいに、薄汚い東洋人がぬらりとやってきたのである。


私は思うのである。愉快とはこういう瞬間に突然訪れるのではないかと。