砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

中東だから砂、砂ならこれかの短絡的な動機でスーツケースに放り込んだ。


小説を読み直す習慣はあまりなく、
こうしてある程度のインターバルを経て、本が蘇るのは中々面白い。
安部公房の言葉はどこか嫌らしく暗い。
世間を嫌がっているような言葉に重たさを感じる。


文中に、教師である主人公が教職を卑下した文句が出てくる。
探し出すのも面倒だが、以下のような内容だったと思う。
教え子は次々と羽ばたいて行き、常に残り滓に留まり続ける職業だと。


この行き詰まった感じが、全体に残る内容だった。