排煙設備は、自然換気設備および機械換気設備のことを言う。
自然換気設備とは、煙を逃すために開けれる窓のことだ。
機械換気設備は、キッチンの換気扇のでかい版だと思えばよい。


特殊な用途を持った建築で延面積が500㎡を超える時や
3階以上の延面積が500㎡を超える時、
または無窓居室と呼ばれるもの(排煙上有効な開口部面積が居室床面積の1/50未満の居室)
あるいは、延面積1000㎡を超え、居室床面積が200㎡を超えるもの
には、排煙設備を設けなければならない。


ただし階段部分、エレベーターのシャフト、ロビーは要らないし、
避難時に煙が避難経路にこないような圧力の操作もある。
学校やスポーツ施設のような大きな部屋にもいらない。
また、防火設備で100㎡以内で区画されたものもいらない。


じゃあ、どうやって排煙設備を使うのだろう。
一般に500㎡以内ごとに防煙壁で区画すること。
羊の放牧をひっくりかえして天井に貼付けて考えればよい。
防煙壁や垂れ壁というのは、冊である。
ひとりの羊飼い(排煙設備)が飼うことのできる羊の数は決まっていて
あんまり多いと正直しんどいということだ。
この限度が500㎡が羊で満杯になったら羊飼いもお手上げということだ。


今日はこの500㎡という数字を頭に叩き込んでおいてほしい。
25mかける20mのフロアなど中々お目にかかれることもないだろうけど。
12.5mかける40mなら時々あるようだ。
40mというと大体、10階建てになる。ちょうど早稲田大学の55号館を横に倒したくらいかもしれない。


必要な排煙の開口面積(羊の出口)は500㎡で1/50以上だから10㎡だ。
あれだけの広さを10㎡でなんとかなるのかと思うけど
煙は嵩方向は80cmまでしか排煙上有効にならないので
10÷0.8で12.5mの長さの開口部に排煙設備が必要になる。
12.5mと言えば、ちょうど、25mプールの半分だ。短いような長いような。


建物を見ていてもそれほど、排煙設備が目につくこともないのだけど、
今後はしっかりその当たりも見て行くとおもしろい。きっと国によってその当たりの基準は色々なんだろうな。