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顔を洗って鏡に映る自分の顔を見た。
いつもより湛然に皮膚の調子を確かめ、笑みを作ってみたり
眉間にしわを寄せてみたりした。
意外と二枚目だなと思う日もあるし、これほど不細工だったかと思う日もある。
自分の見ている方向にいつもこの顔がくっついていると思うと不思議な顔に思えてくる。
これからもよろしくお願いしますとこの時ばかりは自分の顔面に思った。
この先どんなことになろうとも、お前は僕を表現してくれるという忠誠の関係に
ハッ!っと気合いを入れ直そうという気になる。
私のすべての表情を受け持ってくれているので、顔には随分迷惑をかけているかもしれない。
感謝の念すら顔に感じている。
今日もフリーハンド製図のトレーニング。発狂しそうだ。
試験までに30枚は描かなければ受からないという。
間に合うのか。一日一枚。血となり肉となるよう信じるしかない。
敷地がタイトになると突然おさまらなくなる。
PCの整理をしていると先生が学校のレクチャー用に撮影した写真が出てくる。
スペイン坂とか道玄坂、宮益坂といった坂が多い渋谷であるが
坂が多いと必然的に階段がたくさん出てくる。
スペイン坂はよく見るといろんな階段の見本があり、それを撮っているようだった。
森山大道をイメージしている感じもしないでもないが、こうしたどこにでもある風景から
砂金を拾ってくるのは、至難の事だな。
建築も最新技術のような彼の岸の力を利用すれば、なんか飛び道具っぽくてバカっぽく見える。
とても高級なマテリアルを使ったり、法規を逸脱したり、薄さ世界選手権で薄いことを目的化したりと
なんかそうやってアクロバットを決めているのは、建築がアスリート化しているような印象がある。
スペインやプレミアのサッカー選手はアスリートっぽい。
ロベルト・バッジオのような選手が光るような時代ではないのかもしれない。
Le Corbusier - English Edition: Voyage D'orient Carnets
- 作者: Guiliano Gresleri
- 出版社/メーカー: Phaidon Press
- 発売日: 2002/06/24
- メディア: ペーパーバック
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世界的建築家ル・コルビュジェのスケッチ手帖
僕はこの本がすごく気に入っている。
昔、誰かがコルビュジェは絵が下手だと言っていたのが印象に残っている。
その言い方が俺は真実を知っている、といった自信に満ちたものだったが故にかもしれない。
タブローはあんまり好きじゃないが
スケッチはかなり、いい。と前から思っている。何よりも楽しそうだ。
絵は上手いと言われたがっているような絵よりも楽しそうと思われるほうがいいなと
彼のスケッチを見て感じたことを思い出す。
時々見たくなる本の一つで
書棚の片隅においておく。