ポンド

ポンドが147円である。
底は打ったようだが、ポンドはまだまだ低いようだ。
一時は200円だったのだから25〜30%オフの計算になる。


今日は爪を切った。
爪を切った日を記録しておくのもいいと思ったからだ。
だから切ったのである。
そういえば、よく知っている人の爪を切っているところを見たことがない。
私が想像しているのとは全く異なるやり方で皆、爪を切っている可能性もある。
爪を切るというのは、そうした私性の行動様式であり、公共において見る事は滅多にない。


髪を切った事は、周囲にその事実が伝わるのに
「あー、爪切ったね〜」
とはそれほど、言わないので、密かに皆爪を切っているように思える。


爪、例えば熊や鷲の爪というと忽ち、野生の奥地が思い出され
人が密かに爪を切っていることが野生を忘却しようとしているように思える。
この前、若い女の子がネイルアートをしているのを見て、
爪の先端見付の野生はひっそりと我々を狙っているように感じた。


私は手が小さく、長い。
工匠のような器用な手つきではない。
手が大きく指も太い男らしいものではない。
私は写真で見た、ル・コルビュジエの手の大きさに驚き、また私がそうした手をしていないことに
人知れず、へこんだことがある。


かと言って、繊細な楽器を扱うような手かというと、どうもそうでもないように思える。
私の手は一体、どんな手なのだろう。

長谷川利行
http://search.artmuseums.go.jp/jpeg/momat/S0022018.jpg