はじまんねえを見る
光が綺麗だなと思い、パチリ。
こういうインテリアは中々、新築だと出ない。
動いても今はどうしようもない時期だな。
肚を決めて
そういう時は栄養をたっぷり蓄えておこう。
友人に薦められて井上靖の「敦煌」をしだしだ読んでいる。
すると昨夜、NHKで良質な画質の敦煌特集がやっていた。
画面をずっと眺めてしまった。かじりつくとは、この事か。
恥ずかしながら、「敦煌」のことは、知らなかった。
特集を見ていると、ああこれかと。
敦煌では仏洞という大地を削った空洞を伽藍にして
仏像を祀ってある。
その数、相当なもののようだが
砂漠地帯とあって、それぞれの壁面に塗られた顔料が
風化せずに残っている。
乾燥地帯ではバクテリアが活動できないらしい。
その色彩が、ビリビリっと来た。
妖怪や仏の絵に唸らせるものがある。
洞窟だからか、出入り口以外窓がなくいかにも密室。
角をいちいち、面取りしてある。
外は砂漠、中は壁画が極楽浄土のような色使い。
極楽にも色々な色彩がその土地土地によって違うらしい。
- 作者: 井上靖
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1965/06/30
- メディア: 文庫
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井上靖 著
井上の美しい描写が本書では良かった。
言葉が一つ一つ、綺麗でイメージを湧かせる。
沙州、敦煌は、20世紀に始めて陽の目を見たとある。
そうした知られていないけど、
ずっと共に時間を過ごして来た文明を世界が見つけ、
帝国主義的だとしばし、言われるような
西欧の学者の財宝の持ち出しが最後に描かれている。
本来はそこにあるべきもの。なのかどうか。
一概には言えない背景があるだろう。
インドから伝わった仏教がここ敦煌では大切に取り入れられ、
変わった?神の姿が壁面には描かれている。
秘境と思っていたけど、シルクロードの要所の一つでもあったらしく
西からも東からもたくさんのものが伝わったそうだ。
官吏任用試験に落第した趙行徳が流れに流れて敦煌へと至る筋書き。
当時、学問を極めていた行徳においてさえ、知らない文字を使う民に出会う。
その出会いをきっかけに
次第に自らの天命を悟っていく姿に、溌剌としたものを感じた。