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- 作者: 喜多ふあり
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/11/18
- メディア: 単行本
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喜多ふあり 著
「イタイ」人格としてHIROが描かれている。
自分の考えていることをケータイで
ブログにアップして自分を更新していくHIRO
目の前にいる相手に対してもケータイで応答する。
終始沈黙している彼女が
ブログ上でアップされるテキストは
とても明るく、批判的なつっこみに満ちている。
「と私はブログに書き込んだ。」
というフレーズが何度となく使われている。
けちゃっぷは、血の事だ。インターネット上では
過激な内容を好む傾向があり、しばし残酷やエロへと向かう。
しかし、その血としてのけちゃっぷは、やっぱり血ではない。
そういう血じゃないものとして使われるけちゃっぷに
おぞましいものを見ようとしている事が鋭いと思った。
「イタイ」や「しょっぱい」という言葉が
持つ意味って中々表現しにくい。
第45回文藝賞受賞作らしい。
成熟の後に来る退廃なのだろうか。