こんなのほしいな。
ミノックス
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しとやかな獣 [DVD]

しとやかな獣 [DVD]

エレベーターもないような団地の
一室が舞台となっており
徹底してそこで繰り広げられる活劇を撮っている。
住居に人が出入りすることで
映画は進行していく。


容器にどんな魚が入るかで容器自体の意味が変わる。
抑制の効いた設定はしかしながら
過剰さを表現しようとしているように思う。
川島が住居の中だけで進行するはずのルールを時折侵犯しているためだ。


この映画で考えさせてもらったのは、
監督、ひいては作家と呼ばれる人たちが描こうとしたものは
案外つまらないところであったのではないかと思うこと。
作家至上主義ではなく、優れた作家は優れた作品をひきやすいだけなのではないか
作品至上主義をこの映画には見る


ベランダを開け放す生活は現在でもない事はないし
暑ければ窓を開けるだろう。
しかし、ベランダが一つの動線となっているところを見せた点、および共通階段での劇が
外に対する意識を従来の日本家屋的に見せている。
隔てることで際立つのはプライバシーの確保ではなく
団地密度によるマルチチャンネル化である。


中高層集合住宅のベランダごしに見る生活
この視線は当時は新鮮な絶対的な視点だったかもしれないが
現在は高層化した建物が隣接することでだれもがベランダごしに室内を
見られる状況へと化している。
ベランダ-住戸-共用廊下-階段-地平線という抜け方が
映画の根幹に絶対なっている


若尾文子の背中をずっと撮っているが
下着が透けていたり、いちいちエロいのである。


女は二度生まれる [DVD]

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川島雄三は、どうも近景と遠景を同時に画面に収めるのが好みのようだが
あまりおもしろくない。


遊郭にて多くの男の関係を持ちながら
お金を稼ぐトモコ
関係を持つ事でなんとか自分の場所を作ってきたが
最後には全てあっけなくなくなってしまう。


振り回されながらも、気高く生きている女を
若尾文子がまたしても演じている。
女性のイメージは随分かわったように思う。
風鈴が割れているシーンがあるが
この挿話は何か気になった。


女が階段を上る時 [DVD]

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成瀬巳喜男監督作品

高峰秀子が銀座の雇われママを熱演している。
リリカルな描き方がくさすぎる。

夫に死なれたママは
男とは浮気をしない誓いを守りながら
銀座で雇われママとして働いている。
売り上げが中々伸びない事もあり
顧客に集金をしたりせびったりする毎日。


昔の同僚が借金苦から自殺をし
自分の生活リズムに大きな衝撃を受ける。
歳も30近くでお店を出すか結婚するか
夫への誓いもありお店を出すことに精を出すも
惨めさから誓いを破り、次第に誰かに支えてもらいたくなってくる
出会った男たちとは、うまく行かないことばかり。
ハッピーエンドはとくになく、無常観が残る映画だった。