冷めた空器

建築がおもしろいというバブル全盛の機運はすっかりなくなり
なににしても空の容器のように見える。
思い切っていってしまうと白けちまっているのである。
メディアの大空転は助長される、

これを私は肯定的にとらえようという
コペルニクス的転換を試みようとずいぶん前から思っていたのだが
肯定的にとらえることがまだおかしいような気がする。
つまりこの白けは津波の兆候ではないかと思いたい。

貪るようにネタを探し続けるメディアというハイエナが
次々と「足跡」を残していくことで
まるでコンビニのマガジンラックのように
エマージェンシーであることをせわしなく点滅しながら教えてくれる

モナとクラマタが並んでしまって
私はついにこのコペルニクスを意識せざるをえなくなった。
全世界どこを探してもないのである。
世界の中心で何を叫んでみても仕方がないのである。

とてもいい傾向だ。
熱量はどこかに自動的にたまり始めている。
思ってもみない形でそれは現れるだろうと感じている。