街並みの美学 (岩波現代文庫)

街並みの美学 (岩波現代文庫)

読んでみようかと思ったのはベルクによるところが大きいが
そもそもお前は何者なんだ
とずっと思っていたことをこの本を通じて少し芦原義信像へ近づいた。

日本の風景批判と西欧の都市賛美が目立つ
いかにもこの世代らしい論調だが
コルビュジエ批判をし、磯崎批判をしと
中々おもしろい
大変まじめな善良な建築家を装うが無条件に西洋に屈している様子がおもしろい

だがそうした古い世代であることを置いておいても
善良な都市の見方が実に新鮮さを持っている
ひねくれていない
本書では定期的に具体的な案を芦原が唱えてみたり
実際的な数値でもって都市を提案したりと
具体的な姿勢が感じられる。

そもそもだとか、結局だとかいうような
なしくずしにしないところに何か建築家かくあるべしという
立派なものを感じた

NYのロックフェラーセンターに関する考察や
ポケットパーク、日比谷公園のくだりもちょっと素直におもしろいじゃない?!