「結婚式教会」の誕生

「結婚式教会」の誕生

結婚式にこれから遭遇する機会も多くなるかもしれない。
結婚という人生の通過点の一つを
題材とすることで、多くの人が結婚を考える時期に
この書物は自動的に読ませようという感じもする

おもしろかったのは
通常の本であれば知らない固有名詞が登場すれば
それを逐一参照しなくてはならないと思うが
ここでは結婚式場の名前が矢継ぎ早に登場し
名前を持つという点で建築の古典と等価で扱われていることだ。

あくまで五十嵐はビルディングタイプによって
建築を類型化して都市、ひいては文化を批評する
その点で、ゼクシィだろうがパラーディオだろうが同じである
この情報を並列化し論理を組み立てる五十嵐の思考回路が
実は結構好きである。

これはB級映画の話を幸せそうに語ることとは違う。
B級映画はA級映画にコンプレックスを感じている
そうではなく、文脈の中でB級のものの出現の仕方が自動的である点で
おもしろいのである