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- 作者: 高橋源一郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/09/02
- メディア: 文庫
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ひどい。
まずそう思った
SMに近親相姦、スカトロとアダルトビデオコーナーに並んでいるような
言葉が乱発される
少なくとも挑発の仕方がガキくさい
AV女優の母を持つ少年の話
生まれてきた娘に近親相姦を考えてしまう父
ノーマルじゃないし
活字も一々ゴシックになって強調してくる
それもうけを狙っているようなはずしかたに見えてしまう上
笑えない冗談になっている
だがいくつか読むうちに滑らかさを伴いだすと
そちらのほうにむしろ、うんざりしてしまう
とにかく逆撫でし、ドロップキック(この言葉の持つプロレスらしさが似合う)を期待している
何かとセックスと結びつけるがそこにはエロさがまったくない
ここが何か新しい野蛮さに思える
この高橋の小説は一端、書くつもりで
読むと違ってくることに気づいた
きれいな文だと思う
描写の節度がいい
あまり克明に描くのは野暮なんじゃないかと思った
漫画的な描写とリアルな描写がシームレスに繋がる
加藤典洋もかいていたが、
娘が死んでしまう箇所は文章がすごく透き通っていた
繊細な感性の人が必死でふざけるとこうなるんだ。きっと
そういう意味であるつらさが払拭できないでもない。
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フィックスで対象を記録する撮り方があるが
ここになぜ、知性が感じられるのだろうか。
最近映画の見方が変わってきたかもしれない。
家族を失う事故が合った日に
新しい革靴を自分のために買う
そんなことをするかもしれないなと思う挙動が良かった
そんな鑑賞者としての見方が再び沸き起こってきた
曲がり階段の映るショットで枠が赤く塗られている窓がある
太陽が意識的に撮られているように思った
漫然としたフレームワークに
ここで決めたかと勉強になる場面がある
ショットショットに間延びを少しずつ与えることで
映画全体にある印象をもたらしている
意識されないディテールが全体の質をあげ
それがまるでマナーのように実行されている