ヒーロー

あなたにとって今ヒーローは誰か?
とどこかの座で問われたことがある
即答できた記憶はない

僕はこの質問がことのほか気に入っており
ときどき思い出し今はだれが俺のヒーローだろうと考えてる
これは実に誰にでも聞いてみたいし
そいつがだれをヒーローだと考えているか気になるし
それに誰かにヒーローだと思われている存在自体が気になる

先日のペドロコスタ熱はその久しく来ていない興奮を
自分が受け入れたからだったと思う

今一つ僕の中でこと建築家にてその天秤にかかっているのが西沢立衛かもしれない
西沢さんの純度があがってくると
やはり新作への期待感を感じずには入られない

ふと書店で
「建築について話してみよう」西沢立衛著 王国社 ¥1900
を購入したのはそうした爆発しそうな謎への好奇心からだった

彼自体の第一印象は
彼は知るよりも先に考えており
それによってひねり出された言葉に原寸の迫力を感じる
自分で考えることの価値を思い出させてくれたように思う
どういう建物だったらいいかを考えるとき
建築のイメージだけが自立しているような強さが彼にはあり
それが私には強烈であった

書籍ではその断片がときおり見せるがすこし間延びした内容に思えた