サイエンス

今週のニューズウィークを読んだだろうか。
世界の捕鯨活動に関するものや
08年米大統領選について
フランス新大統領、ニコラ・サルコジに関することなどを
尻目に私をおもしろがらせた記事がある。

人間に特権的であると考えられてきた自己認識や思考に関して
今年カレント・バイオロジー誌3月20日号に発表したある実験が
おもしろい結果を突きつけたそうな。

以下記事を引き合いながら

ジョージア大学のジョナソン・クリスタル助教授と同僚アリソン・フットは
ラットを使って以下の実験を行った。

彼らは短い音を聞いたら一方のレバーを押し、
長い音ならもう一方のレバーを押すようラットを訓練し
正しいレバーを押せば餌が6粒もらえ、間違えると何もなし。
ただし、ここがおもしろい条件なのだが
解答をパスすれば残念賞として3粒もらえるという実験をした。

実験者が明らかに長い音や短い音を出した場合
訓練済みのラットは正解を押し
その音の長さを次第に曖昧な長さにしていくと
ラットはパスをするようになっていったという報告だ

ここでの実験考察としてパスして3粒もらえるという選択は
自分が音の長さがどちらか「わからない」という判断をしたことを示しているという。
答えが分からないということがわかるという状態は
メタ認知を成立させているということだそうだ。

記事の結論は人間に特権的とされてきたことが
そうではないとすれば人工頭脳なども脅威を孕むというような
SFっぽい倫理観に落ち着く。

私がおもしろいと感じたのは実験そのものだ
実験には意図があり
なにかを証明するためにはどうなればいいかという条件設定を
具体的な形にして図式化してしまうところだ
この実験結果が考察どおりの証明となっているかは
まだわからないが、考察になにか魅力を感じないわけではなかった。