心臓を貫かれて

心臓を貫かれて


翻訳に際し、訳者が浴びるだろう文字のシャワーは
テニスシューズで動き回って発汗した身体には心地よいのだろうか。
本書は訳者の持つ世界観とはセパレートされ、短いセンテンスで突き進められていく。
異様な大著になっているものの、ある家族のクロニクルという意味では
薄っぺらいともいえなくもない。


ここに挿入されているモノクロームの写真と相まって、
アメリカの町を撮影したロバートフランクのイメージを私に喚起させる。
それは物悲しげなアメリカの表情で、