火曜日

火曜日の夜
TTとキリンシティでビールを呑む。

彼は憤慨している。
組織が持つ縦社会構造にだろうか。
いや、それよりも拘束に対してではなかったか。
彼は嫌なのだ。
野心の無いキャリアになることが
意欲のない識者になることが
次第に形骸化していくように見える先輩たち同期たちに


彼の憤慨は私に次のものを想起させた。
西沢立衛である。
ボスの作品集出版のレセプションで彼を招待し、
対談を拝聴しているときに私は衝撃を受けたことを覚えている。

「怒り」です。
西沢は怒っていた。
森山邸を作った動機は、何かといった質問でした。
建築は怒りで作るものだったのかと戦慄が走りました。
西沢はかなり熱い男である事が分かる。
一種のロックンロールです。


建築は怒りであるのかもしれない。
TTは憤慨していた。
彼の憤慨はまだ建築そのものに対してではない。
だが怒り狂うことはいい迷惑だが是非貫徹して頂きたい。