伊人

その入りやすさと言おうか
見るからにおもしろそうなことが起こっている
彼の建築を図書館で初めて見たときは
宝物を発見したかのような気持ちだった

それがいつしか、うっとおしいものだと
見るや自分の視線は絡めとられ古くさいものと自分で納得してしまっていた
それがこのたび、見直す機会を得て
そこで起こっている出来事を詳細に追っていくことで
あるいは昔宝だと思っていたものとは決して同じではないものとして
自分の中に蓄積された

Carlo Scarpaの建築を見ての覚え書き